CORE Reference News 2025年10月号 注目記事

CORE Reference Newsとは】
治験総括報告書(CSR)のユーザーマニュアル『CORE Reference』を作成・公開している欧米のメディカルライターらから成るCORE Reference Teamが、無料公開しているニュースレター(英語)。メディカルライティングなどに役立つ医薬業界情報を欧米・アジアなどから集めて月1回、毎月末に公開。

※本ブログ記事は、クリノスがCORE Reference Teamの許諾を得て、参考用として注目記事を日本語でご紹介しております。正確な内容や詳細は英語原文と各ニュースのリンク先でご確認下さい。本ブログ記事の無断転載・転用は堅く禁止いたします。

 

202510月号の注目記事】
「CORE Reference News Summary」2025年10月号から注目記事をご紹介いたします。

◆PMDAは組織全体の業務遂行能力を向上させるため、AI技術の導入・活用を推進する指針PMDA業務に対するAI活用行動計画」を策定。

◆米国政府機関閉鎖の影響
(1)米国の医学文献データベース「PubMed」は、政府機関閉鎖中も新規論文の自動アップロードを継続したが、閉鎖解除後も更新の遅延はしばらく続く可能性あり。また、新規ジャーナルの収載を審査する委員会が廃止。政府機関閉鎖解除後は審査体制が縮小される見通し。PubMedが再び機能停止する事態に備え、米国外で代替データベースの開発が活発化。
BMJ「PubMed is running on autopilot during shutdown, but key independent committee has been abolished

<補足情報>
PubMedのサイトに掲載されていた更新遅延のお知らせは現在削除されており、機能はすべて正常化した模様です。しかし、PubMedは過去にも機能停止したことがあり、今後も同様の事態が生じる可能性がありますので、代替データベースの利用にも慣れておくと良いでしょう。(例:Europe PubMed Central [PMC]Google Scholar

(2)米国の治験レジストリ「ClinicalTrials.gov」では、新規治験登録や既存の登録の更新、問い合わせ対応などが遅延。代わりに英国の治験レジストリ「ISRCTN」などで迅速な登録を。

<補足情報>
ClinicalTrials.govに掲載されていた遅延のお知らせは、現在削除されており、機能はすべて正常化した模様です。

◆米国FDAは、同局に提出された新薬承認申請(NDA)が受理可能か判断するための申請チェックリストを新たに公開。
FDA Publishes Filing Checklists to Prevent Submission Delays
簡略新薬申請(ANDA)のチェックリストは、2023年に「MAPP 5200.14 Rev. 1」で公開済み。

◆欧州メディカルライター協会(EMWA)の公式ジャーナル『Medical Writing』2025年9月号が「Real-World Data, Real World Evidence」特集。

◆TransCelerate社のプロトコル関連情報
(1)治験プロトコルの作成段階で患者エンゲージメントを図るための包括的な資料セット「Patient Protocol Engagement Toolkit (P-PET)」に、分散型臨床試験(DCT)での考慮事項を「補遺」として追加。
DCT Considerations Addendum

(2)ICH M11治験実施計画書ガイドライン案が正式採択され次第、「ICH M11 Protocol Template」との整合を図るため、「Common Protocol Template (CPT)」を改訂中。CPT Basic版(Word版)と関連資料の草案を公開。CPT改訂最終版は2026年初頭に公開予定。
CPT Re-aligned to ICH M11 Template

◆米国トランプ政権が医薬業界に及ぼす影響
(1)欧州の医薬品開発は、米国の研究予算削減と医薬品関税により危機的状況。
BMJ「Trump cuts: Gaps in drug research funding in Europe can’t be filled, experts warn

(2)トランプ政権によるワクチン政策転換を受け、米国の医師・研究者らのボランティア・グループが、予防接種推奨の指針となるデータの評価を独自に開始。
Nature「Volunteer scientists work ‘nights and weekends’ to guide vaccine advice in US

 

著者:内山 雪枝(クリノス 代表)
元医師、医学翻訳者、メディカルライター、セミナー講師。
明の星女子短期大学英語科卒業。東海大学医学部卒業。
大学病院勤務後、国内翻訳学校と米国大学院で翻訳を学び、
医学翻訳を30年以上手掛ける。
英文メディカルライティングの教育活動も20年以上継続中。
所属団体:米国メディカルライター協会(AMWA)(1996年~現在)
著書:『薬事・申請における英文メディカルライティング入門』I~IV巻(完売)
→ 詳しいプロフィールはこちら

メールマガジン「クリノス通信」(無料)
国内外の医薬業界情報や、英文ライティングのワンポイントレッスンなど
医薬翻訳・メディカルライティングに役立つ情報をお届けしています。
→ 購読申込はこちら

ページの先頭へ戻る

 

CORE Reference News 2025年8月号 注目記事

CORE Reference Newsとは】
治験総括報告書(CSR)のユーザーマニュアル『CORE Reference』を作成・公開している欧米のメディカルライターらから成るCORE Reference Teamが、無料公開しているニュースレター(英語)。メディカルライティングなどに役立つ医薬業界情報を欧米・アジアなどから集めて月1回、毎月末に公開。

※本ブログ記事は、クリノスがCORE Reference Teamの許諾を得て、参考用として注目記事を日本語でご紹介しております。正確な内容や詳細は英語原文と各ニュースのリンク先でご確認下さい。本ブログ記事の無断転載・転用は堅く禁止いたします。

 

20258月号の注目記事】
「CORE Reference News Summary」2025年8月号から注目記事をご紹介いたします。

◆PMDA関連情報
(1)WHOは日本の厚生労働省および医薬品医療機器総合機構(PMDA)を、「WHOリスト登録当局」(WHO-Listed Agency:WLA)に指定。WLAは、最高の医薬品国際規制基準を満たす国家機関に付与される。
WHO designates new WHO-Listed Authorities, strengthening global access to quality-assured medical products
※厚生労働省のプレスリリースはこちら

(2)PMDAは日本の医薬品開発・承認の迅速化に向けて、新たな取り組みを発表。海外で承認された新薬の国内導入の遅れなどに対応するため、国際共同治験やリアルワールドデータなどの活用を推進。
Expediting Drug Development in Japan: A PMDA Perspective

◆ACRP(Association of Clinical Research Professionals)
(1)ICH E6(R3) GCPガイドラインについて、ICH E6(R2)からの主な変更点をまとめた対比表を発表。
ICH E6(R2) to ICH E6(R3) Comparison」(PDF)

(2)無料のオンライン臨床研究用語集を発表。臨床研究関連用語を1000語以上収載。
ACRP Clinical Research Glossary

◆欧州委員会(EC)は医療分野のAI活用に関する最終報告書を発表。がん治療や遠隔医療への応用可能性を中心に、課題と今後の展望を、日本を含む各国の先進的なAI導入事例から分析。
Study on the deployment of AI in healthcare: Final Report

◆治験結果の透明性向上に向け、estimandフレームワーク活用の実践的な提言。治験結果報告時の効果的な導入方法とそのメリットを紹介。
Realizing the benefits of the estimand framework when reporting and communicating clinical trial results—some recommendations

◆米国トランプ政権が医薬業界に及ぼす影響
(1)米国医学誌『Annals of Internal Medicine』は、ケネディ厚生長官が要求するワクチン研究論文撤回を拒否。
Exclusive: Medical journal rejects Kennedy’s call for retraction of vaccine study

(2)2025年1月以降、米国保健福祉省(HHS)職員が大量離職。科学者・公衆衛生専門家3000人以上や、規制当局者・安全検査官1000人以上を含め、HHS全職員の約18%に相当する計20,500人以上が離職。
How Deeply Trump Has Cut Federal Health Agencies

(3)米国国立衛生研究所(NIH)所長は、新たな研究優先順位リストが発表される中、既存や申請中の研究も含めすべての研究助成金の見直しを指示。
NIH director orders review of all grants, as new research priorities are announced

(4)米国疾病対策センター(CDC)所長のモナレズ氏は、ワクチン政策を巡ってケネディ厚生長官と対立し、就任1ヵ月足らずで解任。その後任に、ケネディ厚生長官の副長官オニール氏が就任。
White House names RFK Jr deputy as replacement CDC director

 

著者:内山 雪枝(クリノス 代表)
元医師、医学翻訳者、メディカルライター、セミナー講師。
明の星女子短期大学英語科卒業。東海大学医学部卒業。
大学病院勤務後、国内翻訳学校と米国大学院で翻訳を学び、
医学翻訳を30年以上手掛ける。
英文メディカルライティングの教育活動も20年以上継続中。
所属団体:米国メディカルライター協会(AMWA)(1996年~現在)
著書:『薬事・申請における英文メディカルライティング入門』I~IV巻(完売)
→ 詳しいプロフィールはこちら

メールマガジン「クリノス通信」(無料)
国内外の医薬業界情報や、英文ライティングのワンポイントレッスンなど
医薬翻訳・メディカルライティングに役立つ情報をお届けしています。
→ 購読申込はこちら

ページの先頭へ戻る

 

CORE Reference News 2025年4月号 注目記事

CORE Reference Newsとは】
治験総括報告書(CSR)のユーザーマニュアル『CORE Reference』を作成・公開している欧米のメディカルライターらから成るCORE Reference Teamが、無料公開しているニュースレター(英語)。メディカルライティングなどに役立つ医薬業界情報を欧米・アジアなどから集めて月1回公開。

※本ブログ記事は、クリノスがCORE Reference Teamの許諾を得て、参考用として注目記事を日本語でご紹介しております。正確な内容や詳細は英語原文と各ニュースのリンク先でご確認下さい。本ブログ記事の無断転載・転用は堅く禁止いたします。

 

【2025年4月号の注目記事】

◆ICH E6 GCPガイドライン改訂の対応支援ツールとしてTransCelerate社が「ICH E6 Asset Library」を提供

◆WHOが用語集を2つ発表(いずれもダウンロード可能)

◆厚労省は2025年3月25日に以下の4つの臨床研究関連サイトを国立保健医療科学院(NIPH)から自省サーバーへ移管。
これに伴い、いずれのサイトもドメインの末尾が「niph.go.jp」から「mhlw.go.jp」に変更。
サイトをブックマークしている場合は新URLへの登録変更が必要。

◆ランダム化比較試験(RCT)の結果の論文報告に関する国際的ガイドライン「CONSORT声明」の2025年版が発表

注)ランダム化比較試験(RCT)の治験実施計画書(プロトコル)に関する国際的ガイドライン「SPIRIT声明」も2025年版が発表されました。「CONSORT 2025」と用語やチェック項目の整合性が図られていますので、ご関係者は「CONSORT 2025」と併せてご確認下さい。

◆欧州メディカルライター協会(EMWA)の公式ジャーナル『Medical Writing』2025年3月号は「Rare Diseases」特集。希少疾病関連のライティングの課題や、希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の臨床試験のデザイン・実施などに関する記事を掲載。

 

著者:内山 雪枝(クリノス 代表)
元医師、医学翻訳者、メディカルライター、セミナー講師。
明の星女子短期大学英語科卒業。東海大学医学部卒業。
大学病院勤務後、国内翻訳学校と米国大学院で翻訳を学び、
医学翻訳を30年以上手掛ける。
英文メディカルライティングの教育活動も20年以上継続中。
所属団体:米国メディカルライター協会(AMWA)(1996年~現在)
著書:『薬事・申請における英文メディカルライティング入門』I~IV巻(完売)
→ 詳しいプロフィールはこちら

※メールマガジン「クリノス通信」(無料)
国内外の医薬業界情報や、英文ライティングのワンポイントレッスンなど
医薬翻訳・メディカルライティングに役立つ情報をお届けしています。
→ 購読申込はこちら

ページの先頭へ戻る

 

CORE Reference News 2025年3月号 注目記事

CORE Reference Newsとは】
治験総括報告書(CSR)のユーザーマニュアル『CORE Reference』を作成・公開している欧米のメディカルライターらから成るCORE Reference Teamが、無料公開しているニュースレター(英語)。メディカルライティングなどに役立つ医薬業界情報を欧米・アジアなどから集めて月1回公開。

※本ブログ記事は、クリノスがCORE Reference Teamの許諾を得て、参考用として注目記事を日本語でご紹介しております。正確な内容や詳細は英語原文と各ニュースのリンク先でご確認下さい。本ブログ記事の無断転載・転用は堅く禁止いたします。

 

20253月号の注目記事】
◆ICH M11治験実施計画書ガイドラインの技術仕様案が公開
ICH M11 Updated Technical Specification Document Now Available on the ICH Website
注1)PMDA:ICH M11「電子的に構造化・調和された臨床試験実施計画書」技術仕様案(Step 2文書)に関する説明会開催のお知らせ
・説明会の無料動画(約16分)を2025年5月9日まで配信
スライド資料も公開中
注2)PMDAがパブリックコメントを2025年5月1日まで募集。詳細はこちら

◆CIOMS作業部会が、規制当局の意思決定におけるRWD/RWEについて最新報告書のサマリーを発表
Real-World Data and Real-World Evidence in Regulatory Decision Making: Report Summary From the Council for International Organizations of Medical Sciences (CIOMS) Working Group XIII

◆癌領域の分散型治験について、コロナ禍での利用拡大と将来の展望をFDAとCTTIが発表
・プレスリリース「New Publication Shares Insights on Decentralized Clinical Trial Elements in Cancer Trials During the COVID-19 Pandemic
・論文抄録「Adoption of Decentralized Trial Elements in Cancer Clinical Trials Supporting FDA Approvals During COVID-19

◆人工知能(AI)関連情報
・EMAがAI病理診断ツールを初めて承認。炎症性肝疾患(MASH)の治験での利用が可能。
EMA qualifies first artificial intelligence tool to diagnose inflammatory liver disease (MASH) in biopsy samples

・WHOが医療向け生成AI「大規模マルチモーダルモデル」の倫理指針を発表
Ethics and governance of artificial intelligence for health: Guidance on large multi-modal models

※詳細や他のニュース記事は「CORE Reference」のLinkedInをご覧下さい。

 

著者:内山 雪枝(クリノス 代表)
元医師、医学翻訳者、メディカルライター、セミナー講師。
明の星女子短期大学英語科卒業。東海大学医学部卒業。
大学病院勤務後、国内翻訳学校と米国大学院で翻訳を学び、
医学翻訳を30年以上手掛ける。
英文メディカルライティングの教育活動も20年以上継続中。
所属団体:米国メディカルライター協会(AMWA)(1996年~現在)
著書:『薬事・申請における英文メディカルライティング入門』I~IV巻(完売)
→ 詳しいプロフィールはこちら

※メールマガジン「クリノス通信」(無料)
国内外の医薬業界情報や、英文ライティングのワンポイントレッスンなど
医薬翻訳・メディカルライティングに役立つ情報をお届けしています。
→ 購読申込はこちら

ページの先頭へ戻る

 

CORE Reference News 2025年1月号 注目記事

CORE Reference Newsとは】
治験総括報告書(CSR)のユーザーマニュアル『CORE Reference』を作成・公開している欧米のメディカルライターらから成るCORE Reference Teamが、無料公開しているニュースレター(英語)。メディカルライティングなどに役立つ医薬業界情報を欧米・アジアなどから集めて月1回公開。

※本ブログ記事は、クリノスがCORE Reference Teamの許諾を得て、参考用として注目記事を日本語でご紹介しております。正確な内容や詳細は英語原文と各ニュースのリンク先でご確認下さい。本ブログ記事の無断転載・転用は堅く禁止いたします。

 

CORE Reference News原文公開・配信方法の変更】
従来、「CORE Reference News Summary」(英語原文)は、「CORE Reference」公式サイトで無料公開されるとともに、希望者にメールで無料配信されておりましたが、2025年1月よりLinkedInでの無料公開に変更され、メール配信はなくなりました。

「CORE Reference News Summary」をお受け取りになりたい方は、「CORE Reference」のLinkedInをフォローして下さいとのことです。

 

20251月号の注目記事】
ICH E6(R3) GCPガイドライン最終版が2025年1月6日公開

◆米国メディカルライター協会(AMWA)が治験プロトコル作成のベストプラクティスを提供
4 Best Practices for Clinical Protocol Writing

◆人工知能(AI)関連情報
・治験結果のlay summary作成時のAI利用の留意点をCISCRPが提案
Considerations for the Use of Artificial Intelligence in the Creation of Lay Summaries of Clinical Trial Results (draft)

・生成AIによる治験総括報告書(CSR)自動作成に関する論文
How Medical Writing and Regulatory Affairs Professionals Can Embrace and Deploy Generative AI at Scale

・世界経済フォーラムが生成AIによる治験の革新と治療法開発の加速を考察
Intelligent Clinical Trials: Using Generative AI to Fast-Track Therapeutic Innovations

◆PMDAが医薬品承認審査でのRWD/RWE活用事例と見解を発表
PMDA Perspective on Use of Real-World Data and Real-World Evidence as an External Control: Recent Examples and Considerations

詳細や他のニュース記事は、「CORE Reference」のLinkedInをご覧下さい。

 

著者:内山 雪枝(クリノス 代表)
元医師、医学翻訳者、メディカルライター、セミナー講師。
明の星女子短期大学英語科卒業。東海大学医学部卒業。
大学病院勤務後、国内翻訳学校と米国大学院で翻訳を学び、
医学翻訳を30年以上手掛ける。
英文メディカルライティングの教育活動も20年以上継続中。
所属団体:米国メディカルライター協会(AMWA)(1996年~現在)
著書:『薬事・申請における英文メディカルライティング入門』I~IV巻(完売)
→ 詳しいプロフィールはこちら

※メールマガジン「クリノス通信」(無料)
国内外の業界情報や、英文ライティングのワンポイントレッスンなど
医薬翻訳・メディカルライティングに役立つ情報をお届けしています。
→ 購読申込はこちら

ページの先頭へ戻る

CORE Reference News 2024年12月16日号

CORE Reference Newsとは】
治験総括報告書(CSR)のユーザーマニュアル『CORE Reference』を作成・公開している欧米のメディカルライターらから成るCORE Reference Teamが、無料配信しているニュースレター(英語)。メディカルライティングなどに役立つ医薬業界情報を欧米・アジアなどから集めて月1~2回配信。

※本ブログ記事は、クリノスがCORE Reference Teamの許諾を得て参考用として日本語に翻訳したものです。正確な内容や解釈は英語原文と各ニュース中のリンク先でご確認下さい。本ブログ記事の無断転載・転用は堅く禁止いたします。

【略語リスト】(アルファベット順)

  • CBER:Center for Biologics Evaluation and Research(米国FDAの生物製剤評価研究センター)
  • CDER:Center for Drug Evaluation and Research(米国FDAの医薬品評価研究センター)
  • CIOMS:Council for International Organizations of Medical Sciences(国際医学団体協議会)
  • CTIS:Clinical Trials Information System(EU臨床試験情報システム)
  • CTR:Clinical Trials Regulation(EU臨床試験規則)
  • EMA:European Medicines Agency(欧州医薬品庁)
  • EU/EEA:European Union/European Economic Area(欧州連合/欧州経済領域)
  • FDA:Food and Drug Administration(米国食品医薬品局)
  • HMA:Heads of Medicines Agencies(欧州医薬品規制当局首脳会議)
  • ICH:International Council for Harmonisation of Technical Requirements for Pharmaceuticals for Human Use(医薬品規制調和国際会議)
  • MHRA:Medicines and Healthcare Products Regulatory Agency(英国医薬品医療製品規制庁)
  • RWD:real-world data(リアルワールドデータ)
  • RWE:real-world evidence(リアルワールドエビデンス)

 

1. CORE Reference Teamからのお知らせ

2024年12月4日に開催したCORE Referenceウェビナー「Voydeya: A Real Life Example of EMA Policy 0070 in Rare Disease」(希少疾患の臨床試験データ公開 [EMA Policy 0070] の実例:ボイデヤ® [一般名:ダニコパン])のビデオ録画とスライドを、こちらで公開しました。どなたでも無料でご覧頂けますので、お知り合いの方々にもお伝え下さい。

2. ICH

2.1 EUネットワークは、「医薬品の臨床試験の実施基準(GCP)」の改訂を支援するACT EUの活動の一環として、ICH E6(R3) GCPガイドラインの原則とAnnex 1に関するワークショップを、2025年2月19~20日にハイブリッド形式で開催します。このワークショップではICH-GCPガイドラインの主な変更点を概説し、ガイドラインの実施について多様なステークホルダーと検討します。

訳注)ACT EU(Accelerating Clinical Trials in the EU):欧州での臨床試験の開始・設計・実施方法を革新して、高品質で有効・安全な医薬品の開発を促進することや、臨床研究を医療制度へさらに組み込むことなどを目的として、欧州委員会とEMAとHMAの三者が共同で始めた取り組み。

2.2 EMAは、ICH E6(R3)ガイドライン「医薬品の臨床試験の実施基準(GCP)」のAnnex 2案について、パブリックコメントを募集しています。コメントは、専用テンプレートを使用してICHE6_R3@ema.europa.eu宛てに2025年2月28日まで提出可能です。

訳注)日本では厚労省がパブリックコメントを2025年1月25日までこちらで募集しています。また、無料の説明会が動画配信形式で開催されます(2025年1月6~25日公開予定)。説明会の詳細はこちらをご覧下さい。

3. EU CTRCTIS

3.1 CTISの臨床試験開始申請(CTA)評価内のすべてのタイマーが、2024年12月22日23:59:59(中央ヨーロッパ時間)に一時停止されますのでご注意下さい。タイマーは2025年1月8日00:00:01(中央ヨーロッパ時間)に再開されます。詳細は「CTIS evaluation timelines」をご覧下さい。

3.2 EMAは、2024年11月20日に開催したCTISショート説明会のビデオ録画を公開しました。

3.3 CTIS Training Environment(別名:CTIS Sandbox)は、システムアップデートのため2024年12月18日に利用できなくなり、同日までにシステムに記録されたデータもすべて削除されますので、ユーザーはご注意下さい。CTIS Training Environmentにアクセスしたい治験依頼者は、公開調査「CTIS Sandbox need self-assessment for access planning」から希望を伝えることができます。

4. 英国とMHRAのニュース

4.1 英国の新たな臨床試験規則が、2024年12月12日に英国国民保健サービス(NHS)の医療研究機構(HRA)とMHRAによって英国議会に提出されました。新たな規則は2025年に審議され、12ヶ月の実施期間を経て2026年初頭に施行される見通しです。規則の主な変更点については、「New clinical trials regulations laid in parliament today」をご覧下さい。

4.2 MHRAは、ICH E6(R3)ガイドライン「医薬品の臨床試験の実施基準(GCP)」のAnnex 2案(ステップ2b)について、パブリックコメントを募集しています。コメントはこちらからご提出下さい。

5. 米国FDAのガイダンスとニュース

5.1 臨床試験レジストリClinicalTrials.govは、PRS(Protocol Registration and Results System:プロトコル登録・結果システム)に関するニュースレター「Hot Off the PRS!」の最新号を発行しました。これによると、PRSのユーザーは試験記録の2つのバージョンを比較できるようになりました。また、Research Information Systems downloadの一部として、新たにフィールドが複数追加されました。これらのアップデートについては、最新の「Release Notes」(2024年12月3日)をご覧下さい。

5.2 FDAはガイダンス案「Expedited Program for Serious Conditions — Accelerated Approval of Drugs and Biologics」(重篤疾患のための迅速プログラム:医薬品および生物学的製剤の迅速承認」を発出しました。本ガイダンスは、迅速承認に関してFDAの方針と手続きの最新情報を提供することを目的としています。

5.3 FDAは最終ガイダンス「Standardized Format for Electronic Submission of NDA and BLA Content for the Planning of Bioresearch Monitoring (BIMO) Inspections for CDER Submissions」(CDERに提出するバイオリサーチモニタリング [BIMO] 査察計画のためのNDA/BLAコンテンツの電子申請用標準フォーマット)を発出しました。本ガイダンスは、FDAのCDERに提出する新薬承認申請(NDA)や、生物学的製剤承認申請(BLA)、新たな臨床試験報告書を含む追加申請のBIMO査察の計画・実施に使用される特定のデータ・情報の標準化された電子申請について説明しています。

5.4 FDAのCDERは、規制上の意思決定におけるリアルワールドデータ(RWD)とリアルワールドエビデンス(RWE)の活用をCDER全体で調整、促進、推進することを目的として、CDER Center for Real-World Evidence Innovation(CCRI)を新設しました。詳細はCCRIの公式サイトをご覧下さい。(訳注:後述の記事No.7.4もご参照下さい)

6. 欧州EMAのガイダンスとニュース

6.1 EMAのニュースレター「Clinical Trial Highlights」2024年12月号は、欧州委員会のガイダンス「Guidance for the transition of clinical trials from the Clinical Trials Directive to the Clinical Trials Regulation」(臨床試験指令から臨床試験規則への臨床試験移行のためのガイダンス)で強調されているように、現在実施中の臨床試験は2025年1月30日までに臨床試験指令(CTD)から臨床試験規則(CTR)に移行しないと、CTRに準拠していないとみなされることを、治験依頼者に注意喚起しています。

6.2 臨床試験開始申請(CTA)や医薬品販売承認申請(MAA)に必要なエビデンスに関して、HMAの臨床試験調整グループ(CTCG)とEMAの科学的助言作業部会(SAWP)が提供する共同科学的助言を、医薬品開発者は要請できるようになりました。

7. リアルワールドデータ

7.1 EMAはドラフト文書「Data Quality Framework for EU medicines regulation: application to real-world data」(EU医薬品規制のデータ品質フレームワーク:リアルワールドデータへの適用)に関して、パブリックコメントの募集を開始しました。

このフレームワークは、医薬品規制のユースケースで使用されるデータセット全体に広く適用されることを意図して、原則や概念、定義を規定しています。その目的は、規制上の意思決定におけるリアルワールドエビデンスの活用を強化することです。パブリックコメントは、EU Survey toolから各セクションの表を使用して2025年1月31日まで提出可能です。

7.2 Welzelらは論文「A transparent and standardized performance measurement platform is needed for on-prescription digital health apps to enable ongoing performance monitoring」(医師が処方するデジタルヘルスアプリで継続的なパフォーマンスモニタリングを可能にするには、透明性が高く標準化されたパフォーマンス測定プラットフォームが必要)を発表しました。

著者らは、実臨床において「apps on prescription (AOP)」(医師が処方する治療用アプリ)(例:ドイツのDiGA)のパフォーマンスを継続的に監視・評価するためのプラットフォームベースのアプローチを提案しています。このアプローチにより、透明性、標準化、パフォーマンスベースの価格設定が向上し、デジタルヘルスのイノベーションを、医療の測定可能なアウトカムに合わせられるとしています。

7.3 欧州のIDERHAプロジェクトは、「D6.2 Report on Global Regulatory Best Practices Analysis: A Scoping Review of HTA and Regulatory RWD/RWE Policy Documents」(グローバル規制ベストプラクティス分析に関するD6.2レポート:医療技術評価 [HTA] および規制上のRWD/RWEポリシー文書のスコーピングレビュー)を発表しました。

訳注)IDERHA:Integration of Heterogeneous Data and Evidence towards Regulatory and HTA Acceptance(規制上と医療技術評価 [HTA]の承認に向けた異種データとエビデンスの統合)。2023年4月に官民共同で発足した欧州革新的医療構想(IHI:Innovative Health Initiative)プロジェクト。異種医療データの安全・確実で合理的な共有を可能にすることを目的としている。

7.4 2024年12月12日、FDAは、規制上の意思決定におけるリアルワールドデータ(RWD)とリアルワールドエビデンス(RWE)の活用を調整・促進するため、CDER Center for Real-World Evidence Innovation(CCRI)を設立すると発表し、CCRIに関するQ&A集「CCRI Frequently Asked Questions」を公開しました。(訳注:前述の記事No.5.4もご参照下さい)

8. 透明性・情報開示のリソースとニュース

8.1 Canadian Anonymization Network(CANON)とAccessPrivacyは、ラウンドテーブル・ディスカッション「Consultation Session on Draft De-Identification Guidance Issued by the Information and Privacy Commissioner of Ontario」(オンタリオ州情報プライバシー・コミッショナーが発出した匿名化ガイダンス案に関する協議)を、12月18日12:00~14:00(米国東部時間)に開催します。これは、ガイダンス案の主な特徴とその影響について議論し、参加者からコメントを得ることを目的としています。

8.2 PHUSEは、データの透明性に関する冬季オンラインイベント「PHUSE Data Transparency Winter event」を2025年2月4~6日に開催します。プレゼンテーションは3日間とも15:00~17:30(グリニッジ標準時)に行われる予定です。参加を希望される方は、こちらからお申し込み下さい。

訳注)PHUSE:Pharmaceutical Users Software Exchange。製薬企業やIT企業などのデータマネージメント、生物統計、電子臨床データ、毒性、病理、薬理などの各専門家ボランティアから成る国際的非営利組織。FDAやEMA、CDISCなどの規制当局・機関に対する業界代弁者。

9. EMAの臨床試験データ公開(EMA Policy 0070

Castleらのブログ記事「EMA Clinical Data Publication Policy to Cover All New Marketing Authorization Applications, Line Extensions and Major Clinical Type II Variations Starting Q2 2025」(2025年第2四半期以降すべての新規販売承認申請 [MAA]、ライン延長申請、主要な臨床タイプIIバリエーション申請が対象になるEMA臨床データ公開ポリシー)は、2025年のEMA臨床試験データ公開(Policy 0070)の次のステップを概説しています。

10. 開発戦略ニュース

10.1 Clinical Trials Transformation Initiative(CTTI)は、臨床試験の多様性行動計画(DAP)の実施を促進するためにその課題と解決策を明らかにすることを目指して、新プロジェクト「Diversity Action Plan Implementation project」を開始したことを発表しました(発表全文はこちら)。CTTIは、DAPの実施に関して主な留意点を含む推奨事項またはベストプラクティスを作成し、貢献するパートナーの役割と責任を概説する文書も作成する予定です。

訳注)CTTI:2007年に米国デューク大学とFDAが共同で設立した、臨床試験の品質・効率の向上を目指す産学官連携組織。

10.2 Kooらは論文「Review of the European Union Clinical Trials Regulation: Key Early Learnings from the United Kingdom Drug Information Association Medical Writing Committee」(EU臨床試験規則 [CTR]のレビュー:英国DIAメディカルライティング委員会が得た知見)を発表しました。

同委員会はメディカルライターの視点でCTRを精査し、治験薬概要書(IB)や治験プロトコル、plain languageによるプロトコル概要、中間解析、補助医薬品(AxMP)、plain language summaryなどに関して得られた知見を論文にまとめています。

治験プロトコルの作成に関する留意事項としては、開示に向けたアプローチや、TransCelerate社提供の治験プロトコルの変更(例:治験終了の定義)、1年間に実施可能な修正(改訂)回数、情報提供依頼(RFI)に対するアプローチなどが挙げられています。

10.3 Thomassenらは論文「The role of the estimand framework in the analysis of patient-reported outcomes in single-arm trials: a case study in oncology」(単群試験の患者報告アウトカム [PRO] 分析におけるestimandフレームワークの役割:癌領域のケーススタディ)を発表しました。著者らは、肺癌患者を対象にした単群試験における包括的QOL(Quality of Life)アウトカムに注目し、考えられるestimandの範囲を特定しています。特に、関心のある変数と、中間事象に対応するためのストラテジーに焦点を当てています。

11. 人工知能・機械学習

『Lancet』誌は、研究者が論文を投稿する際にAIの使用を申告する方法について、新たなガイドライン「Generative AI: ensuring transparency and emphasising human intelligence and accountability」(生成AI:透明性の確保と、人間の知性と説明責任の重視)を発表しました。

 

翻訳:内山 雪枝(クリノス 代表)
元医師、医学翻訳者、メディカルライター、セミナー講師。
明の星女子短期大学英語科卒業。東海大学医学部卒業。
大学病院勤務後、国内翻訳学校と米国大学院で翻訳を学び、
医学翻訳を30年以上手掛ける。
英文メディカルライティングの教育活動も20年以上継続中。
所属団体:米国メディカルライター協会(AMWA)(1996年~現在)
著書:『薬事・申請における英文メディカルライティング入門』I~IV巻(完売)
→ 詳しいプロフィールはこちら

※メールマガジン「クリノス通信」(無料)
国内外の業界情報や、英文ライティングのワンポイントレッスンなど
医薬翻訳・メディカルライティングに役立つ情報をお届けしています。
→ 購読申込はこちら

ページの先頭へ戻る

CORE Reference News 2024年11月30日号

CORE Reference Newsとは】
治験総括報告書(CSR)のユーザーマニュアル『CORE Reference』を作成・公開している欧米のメディカルライターらから成るCORE Reference Teamが、無料配信しているニュースレター(英語)。メディカルライティングなどに役立つ医薬業界情報を欧米・アジアなどから集めて月1~2回配信。

※本ブログ記事は、クリノスがCORE Reference Teamの許諾を得て参考用として日本語に翻訳したものです。正確な内容や解釈は英語原文と各ニュース中のリンク先でご確認下さい。本ブログ記事の無断転載・転用は堅く禁止いたします。

【略語リスト】(アルファベット順)

  • CBER:Center for Biologics Evaluation and Research(米国FDAの生物製剤評価研究センター)
  • CDER:Center for Drug Evaluation and Research(米国FDAの医薬品評価研究センター)
  • CIOMS:Council for International Organizations of Medical Sciences(国際医学団体協議会)
  • CTIS:Clinical Trials Information System(EU臨床試験情報システム)
  • CTR:Clinical Trials Regulation(EU臨床試験規則)
  • EMA:European Medicines Agency(欧州医薬品庁)
  • EU/EEA:European Union/European Economic Area(欧州連合/欧州経済領域)
  • FDA:Food and Drug Administration(米国食品医薬品局)
  • HMA:Heads of Medicines Agencies(欧州医薬品規制当局首脳会議)
  • ICH:International Council for Harmonisation of Technical Requirements for Pharmaceuticals for Human Use(医薬品規制調和国際会議)
  • MHRA:Medicines and Healthcare Products Regulatory Agency(英国医薬品医療製品規制庁)
  • RWD:real-world data(リアルワールドデータ)
  • RWE:real-world evidence(リアルワールドエビデンス)

 

 

1. ICH

ICH E6(R3)ガイドライン「医薬品の臨床試験の実施基準(GCP)」のAnnex 2案が2024年11月6日にICH総会で承認され、現在パブリックコメントを募集しています。Annex 2は、多様な試験デザインやデータソースの利用増加に伴って生じるGCPの考慮事項を取り上げています。分散型臨床試験やプラグマティック臨床試験、リアルワールドデータ(RWD)を活用する臨床試験の各例に焦点を当て、追加的なGCP考慮事項を示します。

Annex 2の作業は、ICH E6(R3)原則とAnnex 1の作業と並行して進められ、Annex 1がICHステップ2に到達すると、Annex 2の作業が開始されます。ICH加盟国・地域のステークホルダーは、各々の規制当局にパブリックコメントを提出することが推奨されます。ICH E6(R3)ガイドラインとそのAnnexの詳細についてはこちらをご覧下さい。研修資料はこちらからダウンロード可能です。

2. EU CTRCTIS

2.1 ベルギー連邦医薬品・医療製品庁(FAMHP)は、治験依頼者に対して、臨床試験をCTR(EU)536/2014に早急に移行するよう求める声明「Important call to clinical trial sponsors: transfer clinical trials to the CTR as soon as possible」を発表しました。

2.2 EMAのニュースレター「CTIS Newsflash」2024年11月19日号には、CTISの重要な最新情報や、有用な参考資料のリンク、冬季クロック停止の詳細などが記載されています。臨床試験開始申請(CTA)評価内のすべてのタイマーが2024年12月22日23:59:59(中央ヨーロッパ時間)に一時停止し、2025年1月8日00:00:01(中央ヨーロッパ時間)に再開されます。

3. 英国とMHRAのニュース

3.1 英国の治験・臨床研究登録機関ISRCTNレジストリは、「Transparency Tracker」の改良や、ISRCTN研究登録フォームの「Protocol/serial no.」欄の変更など、複数のアップデートを最近実施しました。詳しい更新内容は「What’s new on the ISRCTN registry?」をご覧下さい。

「Protocol/serial no.」欄は「Secondary identifying number(s)」欄に変更され、研究者や資金提供者、治験依頼者などが組織内で研究に割り振った参照番号を記入する欄になっています。臨床試験がEudraCT/CTISとClinicalTrials.gov以外のレジストリに登録されている場合は、同欄に治験IDを記入できます。英国国立健康研究所(NIHR)や、医療研究機構(HRA)、Wellcome Trustの助成金番号も同欄に記入します。

3.2 MHRAは、2024年10月15日に開催したウェビナー「Implementing the New UK Clinical Trials Regulations」(英国の新たな臨床試験規制の施行)のビデオ録画を、2024年11月13日に公開しました。このウェビナーでは、(1)新たな臨床試験規制の施行に向けて予想されるスケジュールの概要、(2)ガイダンス案をステークホルダーと共有してフィードバックを得る計画が示されました。
(訳注:翻訳時点で、ウェビナーの録画は「再生できません。アップロードしたユーザーにより削除されました」と表示されています)

ウェビナーに関するブログ記事「MHRA expects new UK clinical trial regulation implementation by January 2026」(MHRAは英国の新たな臨床試験規制が2026年1月までに施行されることを期待)も併せてご参照下さい。

3.3 英国国民保健サービス(NHS)の医療研究機構(HRA)は、臨床試験のインフォームド・コンセントに関する規制の修正案「Simplifying the process of seeking and recording consent in low risk clinical trials」(低リスクの臨床試験におけるインフォームド・コンセントの取得・記録プロセスの簡素化)を発表し、パブリックコメントを募集しています。コメントは、2025年に英国で施行される臨床試験規制の策定に役立てられます。

4. 米国FDAのガイダンスとニュース

ClinicalTrials.govのPRS(Protocol Registration and Results System:プロトコル登録・結果システム)のResultsセクション初の最新化モジュール(被験者の流れ、制限と注意事項、詳細情報)が、現在PRS Test版で利用可能であり、間もなく最新化PRS(新版)でも利用可能になります。ユーザーはPRS Test版で利用可能なResultsセクション・モジュールを試して、ClinicalTrials.gov PRSに感想を伝えることをお勧めします。詳細は最新の「Release Notes」(2024年11月26日)をご覧下さい。

5. 欧州EMAのガイダンスとニュース

EMAは、「Improving efficiency of approval process for new medicines in the EU」(EUにおける新薬承認プロセスの効率化)に関するQ&Aセッションを、2024年12月5日に開催します。本セッションでは、EUにおけるMAA(販売承認申請)や、申請期限を守るために企業が直面する課題を取り上げるとともに、審査・承認プロセスの効率化に向けたEMAの取り組みや、企業が申請計画を立てる際に役立つツールや推奨事項を紹介します。

6. リアルワールドデータ

6.1 中国におけるリアルワールドエビデンス(RWE)活用方針の策定とユースケースについては、Du氏と Han氏による記事「Evolving Policies and Use of RWE in Regulatory Decisions in China」(中国規制当局の意思決定におけるRWEの活用方針と活用の進化)をお読み下さい。

6.2 英国は、国内の健康データの現状を概観した「Uniting the UK’s Health Data: A Huge Opportunity for Society」(英国の健康データの統合:社会にとって大きなチャンス)を発表しました。この報告書は、英国全土の多数の健康関連データソースについて、広範な概要を示しています。

7. EMAの臨床試験データ公開(EMA Policy 0070

2024年11月14日、EMAは臨床試験データ公開(Policy 0070)の再開に向けた次のステップに関するウェビナー「Clinical Data Publication (Policy 0070) webinar — Step 2」(臨床試験データ公開 [Policy 0070]ウェビナー — ステップ2)を開催しました。プレゼン資料とビデオ録画がこちらで公開されています。提案されているステップ2の概要は以下の通りです。

  • 2025年第2四半期以降(正確な日付は未定。2025年4月以降の予定)、否定的意見や取り下げられた申請、ライン延長、主要な臨床タイプIIバリエーション(適応拡大)を含むすべての新たなMAA(販売承認申請)
  • バイオシミラー、ハイブリッド、ジェネリック医薬品をすべて除外
  • 新型コロナ対策と、今後発生する可能性のある新たな公衆衛生上の緊急事態の継続
  • 外部ガイダンス:2025年初頭発出に向けて検討中
  • 質疑応答(Q&A)文書:2023年7月公開。2025年更新予定
  • カナダ保健省との協働によるプロセス提携:ワークシェア。redaction proposal packageの単一レビューの試行
  • レガシー臨床データの公開に関するEMAの提案:要請(access-to-documents request)に応じて公開

8. 開発戦略ニュース

8.1 Higginsらは論文「Considerations for open-label randomized clinical trials: Design, conduct, and analysis」(オープンラベル・ランダム化比較試験に関する検討事項:デザイン、実施、解析)を発表しました。著者らは、最高レベルの試験のインテグリティと試験結論の信頼性を担保するために、オープンラベル試験をどのようにデザイン、実施、解析するのが最善か論じています。

8.2 TransCelerate社とCDISCは、ウェビナー「Digital Data Flow (DDF) Solution Showcase」を2024年12月5日に共催します。これは、治験プロトコルのデジタル化ソリューションに関するシリーズのウェビナー第2弾です。

訳注)CDISC:Clinical Data Interchange Standards Consortium。臨床試験データなどの電子的収集・交換・申請に関して業界標準を策定している国際的な非営利組織。1997年に米国で設立され、国内外のアカデミアや製薬企業、CRO、IT企業などが参加。CDISCが規定する標準規格は「CDISC standard」(CDISC標準)と呼ばれている。

9. 人工知能・機械学習

英国科学技術イノベーション省(DSIT)は、「AI Management Essentials (AIME) Tool」に関してパブリックコメントの募集を開始しました。AIMEは、組織が開発または使用するAIシステムの管理に関してグッドプラクティスのベースラインを確立するための実践的な手順について、組織に明確な情報を提供するリソースです。

10. アジア規制当局のニュース

平川らは論文「Planning and Implementing Master Protocol Trials in Japan: Key Considerations of the Japanese Guideline」(日本におけるマスタープロトコル試験の計画と実施:日本のガイドラインの主な留意事項)を発表しました(注:有料記事です)。

 

翻訳:内山 雪枝(クリノス 代表)
元医師、医学翻訳者、メディカルライター、セミナー講師。
明の星女子短期大学英語科卒業。東海大学医学部卒業。
大学病院勤務後、国内翻訳学校と米国大学院で翻訳を学び、
医学翻訳を30年以上手掛ける。
英文メディカルライティングの教育活動も20年以上継続中。
所属団体:米国メディカルライター協会(AMWA)(1996年~現在)
著書:『薬事・申請における英文メディカルライティング入門』I~IV巻(完売)
→ 詳しいプロフィールはこちら

※メールマガジン「クリノス通信」(無料)
国内外の業界情報や、英文ライティングのワンポイントレッスンなど
医薬翻訳・メディカルライティングに役立つ情報をお届けしています。
→ 購読申込はこちら

ページの先頭へ戻る

CORE Reference News 2024年10月15日号

CORE Reference Newsとは】
治験総括報告書(CSR)のユーザーマニュアル『CORE Reference』を作成・公開している欧米のメディカルライターらから成るCORE Reference Teamが、無料配信しているニュースレター(英語)。メディカルライティングなどに役立つ医薬業界情報を欧米・アジアなどから集めて月1~2回配信。

※本ブログ記事は、クリノスがCORE Reference Teamの許諾を得て参考用として日本語に翻訳したものです。正確な内容や解釈は英語原文と各ニュース中のリンク先でご確認下さい。本ブログ記事の無断転載・転用は堅く禁止いたします。

【略語リスト】(アルファベット順)

  • CBER:Center for Biologics Evaluation and Research(米国FDAの生物製剤評価研究センター)
  • CDER:Center for Drug Evaluation and Research(米国FDAの医薬品評価研究センター)
  • CIOMS:Council for International Organizations of Medical Sciences(国際医学団体協議会)
  • CTIS:Clinical Trials Information System(EU臨床試験情報システム)
  • CTR:Clinical Trials Regulation(EU臨床試験規則)
  • EMA:European Medicines Agency(欧州医薬品庁)
  • EU/EEA:European Union/European Economic Area(欧州連合/欧州経済領域)
  • FDA:Food and Drug Administration(米国食品医薬品局)
  • HMA:Heads of Medicines Agencies(欧州医薬品規制当局首脳会議)
  • ICH:International Council for Harmonisation of Technical Requirements for Pharmaceuticals for Human Use(医薬品規制調和国際会議)
  • MHRA:Medicines and Healthcare Products Regulatory Agency(英国医薬品医療製品規制庁)
  • RWD:real-world data(リアルワールドデータ)
  • RWE:real-world evidence(リアルワールドエビデンス)

 

1. CORE Reference Teamからウェビナーのお知らせ

この度CORE Referenceウェビナーを開催する運びとなりましたのでご案内いたします。

  • 日時:2024年12月4日(水)12:30~13:45(中央ヨーロッパ夏時間)
  • テーマ:EMA Policy 0070事例紹介 – Voydeya
    (訳注:ボイデヤ® [一般名:ダニコパン]。発作性夜間ヘモグロビン尿症の治療薬)
  • 演者:CORE Reference TeamのRaquel Billiones氏とAlison McIntosh氏
  • 申込方法:欧州メディカルライター協会(EMWA)本部(membership@emwa.org)までメールでお申し込み下さい。

<ウェビナー概要>
2024年春に申請を完了し、2024年6月26日に臨床データが公開されたVoydeyaの例を用いて、EMA Policy 0070 Anonymisation Report(AnR:匿名化報告書)の作成について概説し、適切な匿名化手法の選択などについて議論します。主なトピックは以下の通りです。

  • EMA Policy 0070 AnRおよび関連する匿名化手法の概要
  • Voydeyaの申請で浮き彫りになった希少疾患特有の問題点
  • 臨床データの有用性を維持する上での課題
  • EMAとのコミュニケーションの振り返り(申請前相談を含む)
  • Voydeyaの匿名化プロセスから得られた学び

※過去の関連ウェビナー:2024年6月7日に開催したCORE Referenceウェビナーでは、EMA Policy 0070 AnRテンプレートをご紹介しました。詳細は、こちらでスライドNo. 21~37とビデオ録画の30~58分をご覧下さい。

2. 英国とMHRAのニュース

2024年10月15日、MHRAは、英国国民保健サービス(NHS)の医療研究機構(HRA)と共同で、ウェビナー「Implementing the new UK Clinical Trials regulations」(英国の新たな臨床試験規制の施行)を開催しました。このウェビナーでは、ガイダンス案をステークホルダーと共有する共同計画が紹介されるとともに、新たな規制の施行に向けて予想されるスケジュールが明らかにされました。ウェビナーのビデオ録画が後日公開される予定です。

3. 米国FDAのガイダンスとニュース

3.1 臨床試験登録サイトClinicalTrials.govのProtocol Registration and Results System(PRS:治験プロトコル登録・結果システム)新版に関して、最新の「Release Notes」が2024年10月2日に発行され、Outcome Measures Moduleにおけるナンバリングの追加や、record access listの機能強化とリモデリングなどが説明されています。また、PRSの利用方法について解説したショートビデオ・シリーズ「Fast Forward from ClinicalTrials.gov」に、新たなデモンストレーション動画が2本追加されました。

3.2 FDAは最終ガイダンス「Electronic Systems, Electronic Records, and Electronic Signatures in Clinical Investigations: Questions and Answers」(臨床試験における電子システム、電子記録、電子署名:Q&A)を発表しました。本ガイダンスは、食品や医薬品、タバコ製品、新たな動物用医薬品の臨床試験における電子システム、電子記録、電子署名の使用に関する情報を、すべてのステークホルダーに提供するものです。

4. 欧州EMAのガイダンスとニュース

2024年9月24日、EMAは欧州委員会(EC)とHMAと共同で、「Joint EC/HMA/EMA multi-stakeholder workshop on pharmacogenomics」(ファーマコゲノミクスに関するマルチステークホルダー・ワークショップ)を開催しました。このワークショップのプレゼン資料とビデオ録画がこちらで公開されています。

5. 透明性・情報開示のリソースとニュース

PHUSEはデータの透明性に関するイベント「PHUSE Data Transparency Autumn event」を2024年9月17~19日に開催しました。このイベントのプレゼン資料とビデオ録画がこちらで公開されています。

訳注)PHUSE:Pharmaceutical Users Software Exchange。製薬企業やIT企業などのデータマネージメント、生物統計、電子臨床データ、毒性、病理、薬理などの各専門家ボランティアから成る国際的非営利組織。FDAやEMA、CDISCなどの規制当局・機関に対する業界代弁者。

6. 開発戦略ニュース

6.1 EUのHTA CG(Member State Coordination Group on Health Technology Assessment:医療技術評価に関するEU加盟国調整グループ)は、2024年7月4日付の「Guidance on the validity of clinical studies, Version 1.0」(for joint clinical assessments)(臨床試験の妥当性に関するガイダンス、バージョン1.0:共同臨床評価用)を、欧州委員会(EC)の公式サイトに掲載しています。本ガイダンスは、医療技術評価(HTA)の範囲内で、マスタープロトコルやリアルワールドデータ、リアルワールドエビデンス、レジストリなどを含む臨床試験デザインのハイレベルな概要を説明しています。

6.2 FDAは最終ガイダンス「Electronic Systems, Electronic Records, and Electronic Signatures in Clinical Investigations: Questions and Answers」(臨床試験における電子システム、電子記録、電子署名:Q&A)を発表しました。(訳注:前述の記事No.3.2参照)

6.3 FDAは無料の公開ウェビナー「Informed Consent — More than Just Another Document to Sign?」(インフォームド・コンセント:署名するだけの文書ではない?)を、2024年11月8日14~15時(米国東部時間)に開催します。主な内容は以下の3点です。

  • インフォームド・コンセント資料を、臨床試験の被験者候補にとってよりわかりやすく改善することを支援するFDAの取り組みの最新情報
  • インフォームド・コンセントを明確で理解しやすく提示する方法の提案
  • 被験者候補の治験参加・不参加の判断の支援において、インフォームド・コンセントの改善で得られる効果の検討

ウェビナー参加者は、参加申込ページから、またウェビナー開催中に、質問を提出することができます。

7. 人工知能・機械学習

7.1 DIA(Drug Information Association)は、無料の公開セッション「Leveraging AI to Transform Regulatory Medical Writing」(AIを活用したレギュラトリーライティングの変革)を、2024年10月23日午前8時(米国東部時間)に開催します。演者はYseop社のAxel Byrd Le Sage氏です。
(訳注:Yseopは、フランスを拠点とするAIソフトウェア企業。生成AIによる治験文書作成の自動化などが専門。)

このセッションでは、特に臨床試験において、AIがメディカルライティングにどのような変革をもたらしているかを探ります。また、AIツールによって、主な治験文書(治験総括報告書 [CSR] や有害事象の叙述 [narrative] など)の作成作業を自動化し、ワークフローを合理化し、規制要件の準拠を強化する方法を紹介します。さらに、AIを既存のメディカルライティングのプロセスに組み入れて効率と正確性を向上させる実践的な戦略と実例も紹介します。詳細はpooja.phogat@krystelis.comまでお問い合わせ下さい。
(訳注:参加申込はこちらで受け付けています)

7.2 2024年7月、Neyarapally GAらは論文「Description and Validation of a Novel AI Tool, LabelComp, for the Identification of Adverse Event Changes in FDA Labeling」(FDAのラベリングにおける有害事象変更を検出するための新たなAIツール「LabelComp」の説明と検証)を発表しました。この論文は、市販後の医薬品安全性調査をサポートするAIについて説明するとともに、医薬品ラベリングの安全性関連情報の変更を研究者が効率的に特定・分析できるようにFDAが作成・検証した新たなAIツールについて論じています。

7.3 2024年9月9日、EMAは最終ガイダンス「Reflection paper on the use of artificial intelligence in the medicinal product lifecycle」(医薬品ライフサイクルにおけるAI活用に関するリフレクションペーパー)を発出しました。本リフレクションペーパーは、創薬から承認後まで、医薬品開発の様々な段階におけるAIと機械学習(ML)の適用に関する原則を示しています。

7.4 Reisらの論文「Influence of believed AI involvement on the perception of digital medical advice」(AIの関与がデジタル医療アドバイスの認識に与える影響)では、AIツールに対する一般市民の認識について考察しています。著者らの研究結果は、医師がAIを監督しているとされる場合でも、デジタル医療アドバイスを受ける際に「反AIバイアス」が生じることを示しています。

7.5 Brightwellらの論文「Trust and Inclusion in Digital Health: The Need to Transform Consent」(デジタルヘルスにおける信頼とインクルージョン:同意の変革の必要性)は、データ保護の規制と、デジタル変革の取り組み(健康アプリや、遠隔医療、患者の同意の重要性など)との相互作用について考察しています。著者らは、「健康アプリでユーザーの同意を求めるインターフェースは、プライバシーに敏感な人々のデジタルヘルスにおける信頼とインクルージョンに影響を与える可能性がある」と述べています。

8. アジア規制当局のニュース

8.1 PMDAはYouTubeに公式チャンネル「PMDA Channel」を開設しており、日本の医薬品・医療機器の規制に関して様々なコンテンツを配信しています。英語のコンテンツもあり、最近公開された英語動画「Regulatory Approach to Software as a Medical Device (SaMD) in Japan」(日本における医療機器プログラム [SaMD] の規制アプローチ)では、日本でのSaMDの定義、分類、一般的な審査ポイントが紹介されています。

8.2 香港のMDACS(Medical Device Administrative Control System:医療機器管理規制システム)は、Department of Health(香港衛生署)のMedical Device Division(医療機器課)が運営しており、医療機器のリスティング・システムと有害事象報告制度を監督しています。MDACSに関する最新のガイダンスノート「Overview of the Medical Device Administrative Control System, Edition 7」(MDACSの概要:第7版)(2024年9月30日付)では、セクション5.14「Validity of Listing Approval」(リスティング承認の効力)と、セクション5.15「Application Renewal」(申請更新)が改訂されています。

 

翻訳:内山 雪枝(クリノス 代表)
元医師、医学翻訳者、メディカルライター、セミナー講師。
明の星女子短期大学英語科卒業。東海大学医学部卒業。
大学病院勤務後、国内翻訳学校と米国大学院で翻訳を学び、
医学翻訳を30年以上手掛ける。
英文メディカルライティングの教育活動も20年以上継続中。
所属団体:米国メディカルライター協会(AMWA)(1996年~現在)
著書:『薬事・申請における英文メディカルライティング入門』I~IV巻(完売)
→ 詳しいプロフィールはこちら

※メールマガジン「クリノス通信」(無料)
国内外の業界情報や、英文ライティングのワンポイントレッスンなど
医薬翻訳・メディカルライティングに役立つ情報をお届けしています。
→ 購読申込はこちら

ページの先頭へ戻る

CORE Reference News 2024年8月15日号

CORE Reference Newsとは】
治験総括報告書(CSR)のユーザーマニュアル『CORE Reference』を作成・公開している欧米のメディカルライターらから成るCORE Reference Teamが、無料配信しているニュースレター(英語)。メディカルライティングなどに役立つ医薬業界情報を欧米・アジアなどから集めて月1~2回配信。

※本ブログ記事は、クリノスがCORE Reference Teamの許諾を得て参考用として日本語に翻訳したものです。正確な内容や解釈は英語原文と各ニュース中のリンク先でご確認下さい。本ブログ記事の無断転載・転用は堅く禁止いたします。

【略語リスト】(アルファベット順)

  • CBER:Center for Biologics Evaluation and Research(米国FDAの生物製剤評価研究センター)
  • CDER:Center for Drug Evaluation and Research(米国FDAの医薬品評価研究センター)
  • CIOMS:Council for International Organizations of Medical Sciences(国際医学団体協議会)
  • CTIS:Clinical Trials Information System(EU臨床試験情報システム)
  • CTR:Clinical Trials Regulation(EU臨床試験規則)
  • EMA:European Medicines Agency(欧州医薬品庁)
  • EU/EEA:European Union/European Economic Area(欧州連合/欧州経済領域)
  • FDA:Food and Drug Administration(米国食品医薬品局)
  • HMA:Heads of Medicines Agencies(欧州医薬品規制当局首脳会議)
  • ICH:International Council for Harmonisation of Technical Requirements for Pharmaceuticals for Human Use(医薬品規制調和国際会議)
  • MHRA:Medicines and Healthcare Products Regulatory Agency(英国医薬品医療製品規制庁)
  • RWD:real-world data(リアルワールドデータ)
  • RWE:real-world evidence(リアルワールドエビデンス)

 

1. EU CTRCTIS

EMAのニュースレター「CTIS Newsflash」2024年7月26日号が発行され、CTIS利用者に対して以下の2つの注意事項が記載されています。

  • 通知&アラート:未完のタスクと必要なアクションの概要については、通知とアラートのみに頼らず、「Task」タブや「Requests for Information (RFI)」タブも定期的に確認することをお勧めします。
  • タイムテーブル:臨床試験申請の評価中、タイムテーブルには、「Task」ページや「RFI」ページに表示される実際の期限・ステータスとは異なる期限やステータス、情報が表示される場合があります。しかし、この表示の不一致がワークフローや、タスクとRFIの実際の期限に影響を及ぼすことはありません。

2. 英国とMHRAのニュース

2.1 英国国民保健サービス(NHS)医療研究機構(HRA)の最近の主な活動は、以下の通りです。

  • HRA Now — UK wide alignment with important changes to our processes」(HRA最新情報:英国全土における重要なプロセス変更の統一化)が発表されました。この変更により、2024年8月1日以降、英国の4つの構成国のいずれかで研究倫理委員会(REC)の承認を受けた研究は、年次進捗報告書の提出が不要になりました。また、研究者が安全性報告書を提出した場合の対応についても変更がありましたので、「HRA Now」でご確認下さい。
  • Annual report and accounts for 2023-24」(2023~2024年度の年次報告書と決算書)が発表されました。また、この報告書の中の「Performance report 2023-24」(2023~2024年度業績報告書)では、毎年恒例の「Make it Public week」(研究開示啓発週間)やそれに伴う無料ワークショップなど、HRAの活動の主な成果が紹介されています。
  • 研究倫理委員会(REC)、機密諮問グループ(CAG)、一般参加ネットワークのメンバーで構成されるHRA Communityの多様性などに関する調査結果が、「HRA Community demographic report」(HRAコミュニティの人口統計レポート)として発表されました。CAGの詳細については、ブログ記事「Demystifying the Confidentiality Advisory Group and building relationships with Integrated Care Systems」(CAGの役割と統合ケアシステムとの関係構築)をご覧下さい。
  • 英国の「Shared Commitment to Public Involvement」(市民参画への共同コミットメント)においてHRAが研究の多様性向上のために行っている取り組みが、国際的イベント「Patient Engagement Open Forum 2024」(患者参画オープンフォーラム2024)で発表されました。

2.2 HRAは、臨床研究を被験者のために改善する方法について一連の提言をまとめた報告書「Addressing the barriers to People-Centred Clinical Research: Recommendations for system-wide action」(患者中心の臨床研究の障壁に対する取り組み)を発表しました。この報告書はHRAの「People-Centred Clinical Research」プロジェクトの成果であり、患者中心の臨床研究の促進を目的として、変革のための推奨事項を19項目提示しています(報告書の20頁参照)。

3. 米国FDAのガイダンスとニュース

3.1 FDAと米国国立衛生研究所(NIH)は、FDAの規制に初めて触れる新興企業などを対象に、ウェビナー「Regulatory Do’s and Don’ts – Tips from FDA」(規制上の注意事項:FDAからのヒント)を2024年9月4日に開催します。アカデミアのライフサイエンス系アクセラレータや、起業して間もない癌関連企業などが新たな抗癌剤、医療機器、診断薬を開発するのを支援するため、FDAのCBER、CDER、CDRH(医療機器・放射線保健センター)は共同でリソースとプログラムを開発しています。ウェビナーでは、このリソースとプログラムについて概説します。

3.2 FDAはICH M12ガイドライン「薬物相互作用試験」を採用し、最終ガイダンス「M12 Drug Interaction Studies」(M12薬物相互作用試験)と、その補足文書「M12 Drug Interaction Studies: Questions and Answers」(M12薬物相互作用試験:Q&A)を発表しました。このガイダンスには、被験薬の代謝酵素またはトランスポーターを介した薬物動態学的薬物相互作用の可能性を検討するための一般的な推奨事項が示されています。補足のQ&A文書では、同ガイダンスに取り上げられている概念がさらに明確に説明されています。同ガイダンスは、被験薬の開発過程でin vitroおよび臨床における薬物相互作用評価を設計、実施、解釈するための推奨事項を、地域間で一致させることを目的としています。

3.3 臨床試験登録サイトClinicalTrials.govのProtocol Registration and Results System(PRS:治験プロトコル登録・結果システム)は、2024年8月28日から新版(ベータ版)がメインのサイトになります。PRSベータ版の新機能や、ベータ版と旧版の連携方法などの詳細については、米国国立医学図書館(NLM)のニュースレター「NLM Technical Bulletin」(NLM技術速報)2024年8月7日号をご覧下さい。

4. 欧州EMAのガイダンスとニュース

4.1 EMAはYouTubeで、「EMA/HMA Pilot Educational Program Oncology」(EMA/HMAのオンコロジー教育パイロットプログラム)の提供を開始しました。このプログラムは10本の動画で構成されており、内容は規制上の手続きや科学的助言、コンパニオン診断薬、ケーススタディなど、様々なトピックをカバーしています。

4.2 EMAは「Guideline on good pharmacovigilance practices (GVP)」(GVPガイドライン)を改訂しました。「Module XVI – Risk minimisation measures (Revision 3)」には、リスク最小化策の新たな情報が記載されています。「Annex I – Definitions (Revision 5)」では専門用語の定義が更新され、臨床試験における「有害事象」とリアルワールドにおける「有害事象」について、若干異なる定義が示されています。また、疾患レジストリ、予防接種ストレス関連反応(ISRR)、一次データ収集などの用語の定義が今回追加されました。「Introductory cover note」には、本ガイドラインの改訂について詳説されています。

4.3 EMAはEU域内の規制活動を支援するため、「Product Management Service (PMS)」(製品管理サービス)と「Substance Management Service (SMS)」(物質管理サービス)を提供しています。これらは、医薬品の規制プロセスにおける「substance, product, organisation and referentials (SPOR)」(物質、製品、組織、参照)マスターデータの4つのドメインのうち2つを管理します。SPORデータ管理サービスは、信頼性の高い医薬品情報の交換を、堅牢で一貫性のある方法で促進します。PMSに関してよくある質問は、「Product Management Service (PMS) – Frequently Asked Questions (FAQs)」をご覧下さい。

4.4 欧州臨床試験データベースEudraCTのログインで多要素認証(MFA)が有効になりました。ユーザーはEMAのユーザー名に続いて「@id.ema.europa.eu」とパスワードを使用してEudraCTにログインし、多要素認証の設定に進んで下さい。設定の手順は「EMA account creation」(EMAアカウントの作成)をご覧下さい。多要素認証の稼働開始により、ユーザーは臨床試験の結果をアップロードするために「results user role」を要請する必要がなくなり、試験の「primary user」の割り当てを直接要請できるようになりました。「EudraCT results: primary user assignment」(EudraCT臨床試験結果: primary userの割り当て)をご参照下さい。

5. リアルワールドデータ

5.1 医薬品規制を支援するためにリアルワールドエビデンス(RWE)を活用する研究に関する第2回EMAレポート「Real-world evidence framework to support EU regulatory decision-making」(EU規制当局の意思決定を支援するRWEの枠組み)が発表されました。この報告書によると、2023年2月~2024年2月の1年間に計40件のRWE研究が実施されました。

5.2 DARWIN EUは、2023年以降データパートナーが10社から20社に増え、EUデータ保護法に完全に準拠しながら、欧州13ヵ国の約1億3,000万人の患者のデータにアクセスできるようになりました。概要については、EMA長官Emer Cooke氏のLinkedIn記事「Enabling use of real-world evidence – how we make health data count」(RWEの活用の実現:健康データの価値の高め方)をご覧下さい。

訳注)DARWIN EU(Data Analysis and Real-World Interrogation Network):EU全域のリアルワールド医療データベースから、ヒト用医薬品・ワクチンの使用、安全性、有効性に関して信頼性が高くタイムリーなエビデンスを、EMAとEU加盟国の規制当局に提供するために、EMAと欧州医薬品規制ネットワークが2021年に設立した組織。

5.3 EMAは「ICH reflection paper on pursuing opportunities for harmonisation in using real-world data to generate real-world evidence, with a focus on effectiveness of medicines」(医薬品の有効性に焦点を当て、RWE創出にRWDを利用する際の調和の機会を追求することに関するICHリフレクションペーパー)(2024年7月25日付)を発表しました。本書は2024年6月にEMAのヒト用医薬品委員会(CHMP)によって採択されました。

5.4 Alipour-Harisらの論文「Real-world evidence to support regulatory submissions: A landscape review and assessment of use cases」(規制当局への医薬品承認申請をサポートするRWE:RWE活用の現状とユースケースの検討)では、RWEを活用した申請(ユースケース)85件を包括的に分析しており、特に癌領域において、新たな治療法の承認でRWE活用の意義が高まっていることに関して重要な知見を報告しています。

6. 透明性・情報開示のリソースとニュース

6.1 スイス当局は、EU臨床試験規則(CTR:Reg. (EU) No.536/2014)に適合させるため、Human Research Act(HRA:ヒト研究法)と4つの法令を改正し、2024年6月7日に採択しました。改正には、臨床試験の透明性に関する要件を国際的な規制に合わせることなどが含まれています。今後、試験結果の要約の公開が義務化されますが、公開する情報はすべて、臨床試験に関連する国々の各言語で公開する必要があります。試験終了後1年以内に結果の要約を公開する義務は、2025年3月1日以降に終了するすべての試験に対して、2025年3月1日から適用されます。2025年3月1日以前に終了する試験には適用されません。新たな規制要件や経過措置に関する詳細な情報は、Swissmedic(スイス医薬品局)とswissethics(Swiss Association of Research Ethics Committees)の各ウェブサイトで順次発表される予定です。

6.2 PHUSEが主催する、データ透明性に関するオンラインイベント「PHUSE Data Transparency Autumn event」の申込受付が始まりました。このイベントは2024年9月17~19日に開催予定で、参加は無料です。イベントで取り上げるトピックは、自律的なセキュリティや透明性の高いデータ共有における最先端のアプローチから、AIを活用したデータ保護や臨床文書作成における最新の進歩まで多岐に渡ります。各日のプレゼンテーションと演者についてはこちらをご覧下さい。

訳注)PHUSE:Pharmaceutical Users Software Exchange。製薬企業やIT企業などのデータマネージメント、生物統計、電子臨床データ、毒性、病理、薬理などの各専門家ボランティアから成る国際的非営利組織。FDAやEMA、CDISCなどの規制当局・機関に対する業界代弁者。

7. 人工知能・機械学習

7.1 米国国立標準技術研究所(NIST)は、SP 800-218A「Secure Software Development Practices for Generative AI and Dual-Use Foundation Models」(生成AIおよびデュアルユース基盤モデルのための安全なソフトウェア開発プラクティス)を発表しました。本書は、Secure Software Development Framework(SSDF:安全なソフトウェア開発フレームワーク)で定義されている安全なソフトウェア開発のプラクティスとタスクを補強するものです。

7.2 欧州委員会のAI Office(AI事務局)は、EUのAI規制法に基づく信頼できる汎用AIモデルに関して、多様なステークホルダーから意見の募集を始めました。2024年9月18日までこちらで受け付けています。

また、AI Officeは、包括的かつ透明性のある「General-Purpose AI Code of Practice」(汎用AI実践規範)の起草の参加者も募集しています。起草作業は2024年9月から2025年4月まで行われる予定です。参加を希望する方は、2024年8月25日までにこちらからお申し込み下さい。

8. アジア規制当局のニュース

8.1 2024年6月、日本のPMDAは事務連絡「医薬品開発等におけるマスタープロトコル試験の活用に関する留意事項」を発出しました。この通知にはマスタープロトコルの適用範囲や、マスタープロトコル試験の設定、薬事関連資料の作成、PMDAとのコミュニケーションなどに関する情報が記載されています。

8.2 2024年7月15日、中国臨床試験レジストリ(ChiCTR)は、伝統医学(中医学、鍼灸、マッサージ、漢方薬、アーユルヴェーダ、ホメオパシー、ユナニ、補完医療、補助医療など)に関する臨床試験の登録受付を停止しました(Global Compliance Portalの「July 2024: China Registry Update」参照)。今後は国際伝統医学臨床試験レジストリ(ITMCTR)にご登録下さい。

 

翻訳:内山 雪枝(クリノス 代表)
元医師、医学翻訳者、メディカルライター、セミナー講師。
明の星女子短期大学英語科卒業。東海大学医学部卒業。
大学病院勤務後、国内翻訳学校と米国大学院で翻訳を学び、
医学翻訳を30年以上手掛ける。
英文メディカルライティングの教育活動も20年以上継続中。
所属団体:米国メディカルライター協会(AMWA)(1996年~現在)
著書:『薬事・申請における英文メディカルライティング入門』I~IV巻(完売)
→ 詳しいプロフィールはこちら

※メールマガジン「クリノス通信」(無料)
国内外の業界情報や、英文ライティングのワンポイントレッスンなど
医薬翻訳・メディカルライティングに役立つ情報をお届けしています。
→ 購読申込はこちら

ページの先頭へ戻る

CORE Reference News 2024年7月31日号

CORE Reference Newsとは】
治験総括報告書(CSR)のユーザーマニュアル『CORE Reference』を作成・公開している欧米のメディカルライターらから成るCORE Reference Teamが、無料配信しているニュースレター(英語)。メディカルライティングなどに役立つ医薬業界情報を欧米・アジアなどから集めて月1~2回配信。

※本ブログ記事は、クリノスがCORE Reference Teamの許諾を得て参考用として日本語に翻訳したものです。正確な内容や解釈は英語原文と各ニュース中のリンク先でご確認下さい。本ブログ記事の無断転載・転用は堅く禁止いたします。

【略語リスト】(アルファベット順)

  • CBER:Center for Biologics Evaluation and Research(米国FDAの生物製剤評価研究センター)
  • CDER:Center for Drug Evaluation and Research(米国FDAの医薬品評価研究センター)
  • CIOMS:Council for International Organizations of Medical Sciences(国際医学団体協議会)
  • CTIS:Clinical Trials Information System(EU臨床試験情報システム)
  • CTR:Clinical Trials Regulation(EU臨床試験規則)
  • EMA:European Medicines Agency(欧州医薬品庁)
  • EU/EEA:European Union/European Economic Area(欧州連合/欧州経済領域)
  • FDA:Food and Drug Administration(米国食品医薬品局)
  • HMA:Heads of Medicines Agencies(欧州医薬品規制当局首脳会議)
  • ICH:International Council for Harmonisation of Technical Requirements for Pharmaceuticals for Human Use(医薬品規制調和国際会議)
  • MHRA:Medicines and Healthcare Products Regulatory Agency(英国医薬品医療製品規制庁)
  • RWD:real-world data(リアルワールドデータ)
  • RWE:real-world evidence(リアルワールドエビデンス)

 

1. EU CTRCTIS

1.1 EMAは、2024年7月2日に開催されたPCWP(Patients and Consumers Working Party)とHCPWP(Healthcare Professionals Working Party)の合同会議で発表した「Revised CTIS transparency rules and new version of the public portal」(CTIS改正透明性規則と、CTISパブリックポータルの新バージョン)のスライドを公開しました。

訳注)PCWPは患者・消費者団体による作業部会、HCPWPは医療従事者による作業部会。いずれもEMAとの意見交換を通じて各ステークホルダーの声をEMAの活動に活かすために、EMAが設立した組織。

1.2 EMAは、臨床データポータル(CDP)について、ユーザーからフィードバックを得るためのアンケート調査を開始しました。このアンケートは、臨床試験データが公開されているEMAの臨床データポータルのユーザー満足度や使いやすさについて、意見を収集することを目的としています。EMAはユーザーからのフィードバックを重視しており、アンケートの回答は、臨床データポータルの潜在的な問題の発見・解決や、臨床データの利便性向上に役立ちます。回答に要する時間は5分程度で、回答はすべて保護され、集計されたデータのみが報告されます。アンケートにはこちらから回答可能です。

1.3 HMAのCTAG(Clinical Trials Coordination and Advisory Group:臨床試験調整諮問グループ)は、EU CTR No. 536/2014のQ&A改訂版「Clinical Trials Regulation (EU) No. 536/2014 Questions & Answers Version 6.9」(2024年7月9日付)を、EudraLex Volume 10で発表しました。旧版からの変更は、中間分析に関する新たな質問6.6の追加や、付録II、III、IV、Vのアップデートなどで、主な変更内容は以下のとおりです。

  • CTIS改正透明性規則とQ&A回答との整合性
  • 不測の緊急事態による例外的な場合に、既存の治験実施施設で治験責任医師を変更する承認戦略に関するガイダンス
  • Paediatric Regulation(EU No. 1901/2006)第46条(1)に該当しない小児臨床試験で、科学的理由により、試験結果の概要を試験終了後6ヶ月以内に提出できない場合は、遅くとも12ヶ月以内に提出。
  • CTRに照らして中間解析とみなされるものや、中間解析結果の要約の提出方法・手順とその例外に関するガイダンス。例外は下記の3つのケース。
    ①独立データモニタリング委員会(IDMC)による中間解析の結果、治験依頼者や治験責任医師の盲検を維持すべき場合
    ②臨床試験の継続方法(例:早期臨床試験における投与方法)の決定に関して、明確な判断基準が治験プロトコルに規定されている場合
    ③治験プロトコルで規定された正当な理由により、中間解析結果の要約を1年以内に提出できない場合

訳注)EudraLex:European Union Drug Regulatory Authorities Legislation。EUの医薬品規制の法規集で、全10巻から成る。Volume 10(第10巻)は「Guidelines for clinical trial」(臨床試験に関するガイドライン)。

1.4 CTISの概要が、Singh氏とShaik氏によるオンライン記事「Understanding The Basics Of EU Clinical Trials With CTIS」(CTISを利用するEU臨床試験の基礎知識)で紹介されています。

1.5 EMAは「Revised CTIS transparency rules and historical trials: quick guide for users, Version 1.7」(CTIS改正透明性規則とhistorical trial:ユーザー向けクイックガイド バージョン1.7)(2024年7月19日付)を発表しました。今回の改訂では、治験依頼者の変更によるsubstantial modification(大幅な変更)に関するガイダンス(スライド17)が追加されました。

1.6 「CTIS Release Notes – Release version 1.0.42.0」(CTISリリースノート:リリース・バージョン1.0.42.0)(2024年7月8日付)には、CTISの最新情報が概説されています。

1.7 HMAのCTCG(Clinical Trials Coordination Group:臨床試験調整グループ)は、下記の4つの文書について新たなテンプレートを発表しました。

カバーレターは、申請の背景情報や、CTISに提出した内容の明確な概要を提供する重要な文書であり、質の高いカバーレターは申請の検証と評価を促進します。これは、情報提供依頼(RFI)への回答として提出される「変更リスト」にも当てはまります。

2. 英国とMHRAのニュース

英国国民保健サービス(NHS)医療研究機構(HRA)は、臨床試験の登録に関する障壁とその解決策を探るため、「Make it Public workshop — all clinical trials registered」(研究開示ワークショップ:全臨床試験の登録を!)を2024年3月に開催しました。その要約「Make it Public workshop summary」が公開されています。このワークショップでは、試験登録に関して、以下の4つの重要な問題が浮き彫りになりました。(1)登録に必要なリソース、(2)登録のコスト、(3)あらゆる試験タイプに適した登録プラットフォームを見つけることの難しさ、(4)登録プラットフォームの制限や複雑さ。

3. 米国FDAのガイダンスとニュース

3.1 臨床試験登録サイトClinicalTrials.govの最新のアップデート情報が発表されました。

  • 詳細は、最新の「Release Notes」をご覧下さい。
  • Modernization Transition Top Questions」(サイトの最新化に関してよくある質問)のページが更新されました。これまでPDFファイルで提供されていた情報がウェブページに変換され、アクセスしやすくなりました。
  • 2024年の「Train-the-Trainer Workshop」(研修講師養成ワークショップ)の資料が、教育関連のウェブページで公開されました。

3.2 FDAは「Guidance Snapshot: Digital Health Technologies for Remote Data Acquisition in Clinical Investigations」(ガイダンス・スナップショット:臨床試験における遠隔データ収集のためのデジタルヘルス技術)を発表しました。ガイダンスの概要はポッドキャストで聴くこともできます。

訳注)Guidance Snapshot:FDAのガイダンス文書の透明性のあるコミュニケーションと普及をサポートするために、ガイダンス文書のポイントを視覚的かつ平易な言葉で提供するコミュニケーション・ツール。

3.3 FDAは「Rare Disease Innovation Hub」(希少疾患イノベーションハブ)の設立計画を発表しました。これは、希少疾患の治療法の開発と承認を加速させることにより、患者の転帰を改善することを目的とした取り組みです。

3.4 FDAはガイダンス案「Purpose and Content of Use-Related Risk Analyses (URRA) for Drugs, Biological Products, and Combination Products」(医薬品、生物学的製剤、コンビネーション製品の使用関連リスク分析 [URRA] の目的と内容)を公開し、パブリックコメントを募集しています。URRAは、コンビネーション製品の使用に関連する潜在的リスクを特定する上で重要な役割を果たします。本ガイダンス案は、医薬品または生物学的製剤を含むコンビネーション製品の製造業者に、販売申請のサポートに使用されるURRAの目的と内容に関する情報を提供しています。

4. リアルワールドデータ

4.1 2024年7月にFDAは、電子健康記録(EHR)から得たリアルワールドデータ(RWD)の評価に関する最終ガイダンス「Real-World Data: Assessing Electronic Health Records and Medical Claims Data to Support Regulatory Decision-Making for Drug and Biological Products」(リアルワールドデータ:医薬品および生物学的製剤の規制上の意思決定をサポートするための電子健康記録と医療請求データの評価)を発表しました。本ガイダンスでは、臨床試験の変数の選択や検証など、試験デザインの要素が明確に示されています。

4.2 PHUSEはブログ記事「RWD: The FDA’s Guidance on Assessing Registry Data to Support Regulatory Decision-Making」(RWD:規制当局の意思決定をサポートするレジストリデータの評価に関するFDAガイダンス)を発表しました。PHUSEのリアルワールドエビデンス作業部会のプロジェクト「Quality and Reusability of Real World Data」(RWDの品質と再利用性)もご参照下さい。

訳注)PHUSE:Pharmaceutical Users Software Exchange。製薬企業やIT企業などのデータマネージメント、生物統計、電子臨床データ、毒性、病理、薬理などの各専門家ボランティアから成る国際的非営利組織。FDAやEMA、CDISCなどの規制当局・機関に対する業界代弁者。

5. 透明性・情報開示のリソースとニュース

5.1 PHUSEはデータの透明性に関する無料オンラインイベント「PHUSE Data Transparency Autumn event」を、2024年9月17~19日の15:00~17:30(英国夏時間)/10:00~12:30(米国東部夏時間)に開催します。参加申込の受付は2024年8月5日から開始されます。

5.2 RAPS(Regulatory Affairs Professionals Society:薬事専門家協会)は、無料のウェブキャスト「Author Clinical Study Reports with Data Privacy & Disclosure in Mind」(データプライバシーと開示を念頭に置いた治験総括報告書 [CSR] の作成)を2024年8月7日に開催します。本イベントの目的は、メディカルライティングが臨床データ開示に与える影響について議論することと、情報開示を念頭に置いた無駄のないCSR作成が開示プロセスの効率をいかに向上させられるかを示すことです。

訳注)RAPS:医薬品や生物製剤、医療機器、デジタルヘルスなどの規制に携わる専門家の世界最大の組織。1976年に米国で設立され、国内外の規制当局やアカデミア、製薬・医療機器業界などの専門家により、レギュラトリーサイエンスの情報交換や教育を実施。

5.3 欧州で健康に関する研究とイノベーションのために官民共同で発足したIHI(Innovative Health Initiative)は、無料のウェビナー「Masterclass – how to unlock the potential of data sharing in collaborative projects」(マスタークラス – 共同プロジェクトでデータ共有の可能性を最大限に引き出す方法)を2024年9月4日に開催します。これは、健康データの共有に役立つ実用的なツールとリソースを紹介するインタラクティブなウェビナーで、欧州製薬団体連合会(EFPIA)が新たに作成した「Data Sharing Playbook」(データ共有プレイブック)に基づいて開催されます。参加申込はこちらから可能です。

5.4 2024年7月、DavalとKesselheimは『JAMA』誌にviewpoint論文「The Origins of ‘Confidential Commercial Information’ at the FDA」(FDAにおける「営業機密情報」 [CCI] の起源)を発表しました。著者らは、現行法の下でのFDAの権限と義務を精査し、FDAは公衆衛生のために情報共有の柔軟性を高める措置を講じることが可能であると結論づけています。

6. 開発戦略ニュース

6.1 2024年7月にTransCelerate BioPharma社、CDISC、Vulcanが共同開催したウェビナー「Vulcan UDP (Utilizing the Digital Protocol): Collaborating to Accelerate ICH M11 and End User Value」(Vulcan UDP [デジタルプロトコルの活用]:ICH M11ガイドラインとエンドユーザーの価値促進のためのコラボレーション)のビデオ録画スライドが公開されました。このウェビナーにはFDA、EMA、CDISC、TransCelerate BioPharma社、Vulcanの各代表者が参加し、完全に利用可能なデジタルプロトコル・テンプレートの定義、適用、リリースの課題について最新情報を提供しています。なお、ICH M11ガイドラインのステップ4は2025年秋に予定されています。

訳注1)TransCelerate BioPharma Inc.:世界のバイオ医薬品企業約20社が協力して、新薬の効率的・効果的かつ高品質な提供を促進する方法を探求する非営利団体。日本の製薬企業も数社参画。治験総括報告書(CSR)や治験プロトコルのテンプレートなどを作成・提供。

訳注2)CDISC:Clinical Data Interchange Standards Consortium。臨床試験データなどの電子的収集・交換・申請に関して業界標準を策定している国際的な非営利組織。1997年に米国で設立され、国内外のアカデミアや製薬企業、CRO、IT企業などが参加。CDISCが規定する標準規格は「CDISC standard」(CDISC標準)と呼ばれている。

訳注3)Vulcan:米国の非営利標準化団体であるHL7(Health Level 7)協会が2019年に立ち上げた、マルチステークホルダーによる国際プロジェクト。HL7協会が開発した医療データ交換の標準規格FHIR(Fast Healthcare Interoperability Resources)を活用して、医療と臨床研究のギャップを埋めることを目指している。

6.2 TransCelerate BioPharma社は2024年9月10日に、ウェビナー「Mastering Master Protocols and Advancing Platform Trial Research: a CC&R and EU-PEARL Collaboration」(マスタープロトコルの習得とプラットフォーム試験研究の推進:CC&RとEU-PEARLのコラボレーション)を開催します。この取り組みの背景については、「Enabling Platform Trials with Master Protocols: How EU-PEARL and TransCelerate BioPharma Created a Global Template」(マスタープロトコルによるプラットフォーム試験の実現:EU-PEARLとTransCelerate BioPharmaがグローバル・テンプレートを作成した経緯)をご覧下さい。ウェビナーの参加申込はこちらで受け付けています。

訳注1)EU-PEARL(EU-Patient Centric Clinical Trial Platforms):患者中心で効率的な臨床試験を目指し、Innovative Medicines Initiative(IMI)から資金提供を受けて2019年に発足した官民共同プロジェクト。患者や医師、研究者、規制当局、産業界を各々代表する36組織が協力して、欧州における患者中心のプラットフォーム試験の設計や実施を支援するツールなどを開発。

訳注2)CC&R(Clinical Content & Reuse Initiative)(旧Common Protocol Template [CPT] Initiative):TransCelerate BioPharma社の取り組みの1つ。プロジェクトのライフサイクルを通じて再利用可能な治験関連文書内で、調和された構造と提案されたモデルコンテンツを提供することにより、臨床試験のプロセスを強化し、自動化によるデジタル化と追跡を可能にすることを目指す。

6.3 Kliegmanらが発表した論文「A roadmap for affordable genetic medicines」(手頃な価格の遺伝子治療薬へのロードマップ)は、安価で利用しやすいゲノム治療への道筋を描くために結成された学際的タスクフォースの提言を紹介しています。

6.4 国際的な非営利組織Pistoia Allianceは、バイオ医薬品業界における研究データの管理とその責任に関するFAIR(Findable、Accessible、Interoperable、Re-usable)原則の実装をサポートしています。同組織は、FAIR原則の実装によるビジネス価値を示すケーススタディの収集を目的とする調査を開始しました。この調査は2024年8月末まで実施される予定です。

訳注)Pistoia Alliance:ライフサイエンスと医療における研究開発のイノベーションの障壁を下げることに取り組む国際的な会員制非営利組織。2007年にイタリアのPistoiaで開催された会議を契機に設立され、ライフサイエンス分野の企業や学術団体、出版社など100社以上が加盟。

6.5 Karl-Heinz Loebel氏は、DIAのデジタルマガジン『DIA Global Forum』2024年7月号に、「How Did We Get Here? A History of eCTD and Prospects for eCTD 4.0」(これまでの歩み:eCTDの歴史とeCTD 4.0の展望)と題する記事を発表しました。この記事ではCommon Technical Document(CTD)の進化について、CTD誕生前の時代からeCTD 4.0の実装に至るまでの歴史的経緯を概説しています。

7. 人工知能・機械学習

7.1 EUのAI規制法が2024年7月12日に公布されました。この規制法の目的は、EU域内でのAIシステムの開発、市場投入、実用化、活用について統一的な法的枠組みを定めることによりEU市場の機能を向上させ、人間中心で信頼できるAIの普及を促すことです。AI規制法は、医療機器や体外診断機器などの製品におけるAIの使用を規制しています。Hines氏らはIQVIA社のブログ記事「EU AI Act – Here’s how this will affect your organisation」(EU AI規制法:医療分野に与える影響)で、医療への潜在的な影響について解説しています。Julia Appelskog氏は自身のLinkedInの投稿で、AI規制法の重要なポイントを5つ紹介しています。

7.2 InteliNotion社はホワイトペーパー「Convergence of Generative AI and Structured Content」(生成AIと構造化コンテンツの融合)を発表し、構造化コンテンツ管理と生成AI(GenAI)を組み合わせたアプローチについて概説しています。著者らはこのアプローチを「GenAI assisted contextual authoring」(生成AI支援型コンテキスト生成)と名付け、生成AIを活用して文書作成者をサポートするアプローチを提供しています。このアプローチは、AIによるコンテンツ生成を検討する際の大きな障壁を克服し、AIの活用と治験固有の要件を調和させます。

7.3 GoogleのMichael Howell博士の総説論文「Generative artificial intelligence, patient safety and healthcare quality: a review」(生成AI、患者の安全、医療の質:レビュー)は、「基礎モデルの基礎や利点、リスク、未知数、そしてこれらの新しい機能が医療の質と患者の安全の向上にどのように役立つかに関する手引書として役立ちます」。

7.4 HaltaufderheideとRanischは、論文「The ethics of ChatGPT in medicine and healthcare: a systematic review on Large Language Models (LLMs)」(医学と医療におけるChatGPTの倫理:大規模言語モデル [LLM] に関する体系的レビュー)を発表しました。この研究では、LLMについて「公平性やバイアス、無害性、透明性、プライバシーに関して倫理的な懸念が繰り返し発生している」ことが確認され、「LLMの現在の実験的使用の必要性と正当性を確認するための批判的調査が必要である」と著者らは述べています。

8. アジア規制当局のニュース

8.1 2024年5月、中国はICHガイドラインのQ2(R2)「分析法バリデーション」とQ14「分析法開発」を採用しました(中国語のウェブページ)。関連する試験はすべて、2024年11月24日発効予定のQ2(R2)/Q14ガイドラインに概説されている原則に準拠する必要があります。中国国家薬品監督管理局(NMPA)は、両ガイドラインの中国語版を2024年2月に公開しています。

8.2 2024年5月、中国NMPAは「希少疾患治療薬の臨床研究における分散型臨床試験の適用に関する技術的ガイドライン」(中国語)を発出しました。本ガイドラインは、希少疾患治療薬の臨床開発におけるデジタルヘルス技術の適用に関する提案事項と、デジタルヘルス技術の科学的かつ標準化された実装に関する参考資料を提示しています。

8.3 2024年1月、中国NMPAは「抗腫瘍薬の医薬品添付文書における安全性情報の記載に関する技術的ガイドライン」(中国語)を発出しました。本ガイドラインは、抗腫瘍薬の医薬品添付文書における安全性情報の記載内容の標準化について、原則とガイダンスを示しています。

8.4 シンガポールの個人情報保護委員会は、シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)と共同で、「Proposed Guide on Synthetic Data Generation」(合成データ生成に関するガイド案)を発表しました。このガイド案では、個人情報から個人が特定されるリスクを最小限に抑える目的で合成データを生成する際のベストプラクティスとリスク評価/検討事項が提案されています。また、合成データをAIモデルの学習データとして活用することも提案されています。

合成データ生成はプライバシー強化技術(PET)の1つで、目的に応じた数学モデルやアルゴリズムを用いて実データから人工的なデータを生成します。良質な合成データはソースデータの統計的特性とパターンを保持しているため、良質な合成データを分析することで、ソースデータの分析と同様の結果を得ることができます。

 

翻訳:内山 雪枝(クリノス 代表)
元医師、医学翻訳者、メディカルライター、セミナー講師。
明の星女子短期大学英語科卒業。東海大学医学部卒業。
大学病院勤務後、国内翻訳学校と米国大学院で翻訳を学び、
医学翻訳を30年以上手掛ける。
英文メディカルライティングの教育活動も20年以上継続中。
所属団体:米国メディカルライター協会(AMWA)(1996年~現在)
著書:『薬事・申請における英文メディカルライティング入門』I~IV巻(完売)
→ 詳しいプロフィールはこちら

※メールマガジン「クリノス通信」(無料)
国内外の業界情報や、英文ライティングのワンポイントレッスンなど
医薬翻訳・メディカルライティングに役立つ情報をお届けしています。
→ 購読申込はこちら

ページの先頭へ戻る