【CORE Reference Newsとは】
治験総括報告書(CSR)のユーザーマニュアル『CORE Reference』を作成・公開している欧米のメディカルライターらから成るCORE Reference Teamが、無料公開しているニュースレター(英語)。メディカルライティングなどに役立つ医薬業界情報を欧米・アジアなどから集めて月1回、毎月末に公開。
※本ブログ記事は、クリノスがCORE Reference Teamの許諾を得て、参考用として注目記事を日本語でご紹介しております。正確な内容や詳細は英語原文と各ニュースのリンク先でご確認下さい。本ブログ記事の無断転載・転用は堅く禁止いたします。
【2025年10月号の注目記事】
「CORE Reference News Summary」2025年10月号から注目記事をご紹介いたします。
◆PMDAは組織全体の業務遂行能力を向上させるため、AI技術の導入・活用を推進する指針「PMDA業務に対するAI活用行動計画」を策定。
◆米国政府機関閉鎖の影響
(1)米国の医学文献データベース「PubMed」は、政府機関閉鎖中も新規論文の自動アップロードを継続したが、閉鎖解除後も更新の遅延はしばらく続く可能性あり。また、新規ジャーナルの収載を審査する委員会が廃止。政府機関閉鎖解除後は審査体制が縮小される見通し。PubMedが再び機能停止する事態に備え、米国外で代替データベースの開発が活発化。
BMJ「PubMed is running on autopilot during shutdown, but key independent committee has been abolished
<補足情報>
PubMedのサイトに掲載されていた更新遅延のお知らせは現在削除されており、機能はすべて正常化した模様です。しかし、PubMedは過去にも機能停止したことがあり、今後も同様の事態が生じる可能性がありますので、代替データベースの利用にも慣れておくと良いでしょう。(例:Europe PubMed Central [PMC]、Google Scholar)
(2)米国の治験レジストリ「ClinicalTrials.gov」では、新規治験登録や既存の登録の更新、問い合わせ対応などが遅延。代わりに英国の治験レジストリ「ISRCTN」などで迅速な登録を。
<補足情報>
ClinicalTrials.govに掲載されていた遅延のお知らせは、現在削除されており、機能はすべて正常化した模様です。
◆米国FDAは、同局に提出された新薬承認申請(NDA)が受理可能か判断するための申請チェックリストを新たに公開。
「FDA Publishes Filing Checklists to Prevent Submission Delays」
簡略新薬申請(ANDA)のチェックリストは、2023年に「MAPP 5200.14 Rev. 1」で公開済み。
◆欧州メディカルライター協会(EMWA)の公式ジャーナル『Medical Writing』2025年9月号が「Real-World Data, Real World Evidence」特集。
◆TransCelerate社のプロトコル関連情報
(1)治験プロトコルの作成段階で患者エンゲージメントを図るための包括的な資料セット「Patient Protocol Engagement Toolkit (P-PET)」に、分散型臨床試験(DCT)での考慮事項を「補遺」として追加。
「DCT Considerations Addendum」
(2)ICH M11治験実施計画書ガイドライン案が正式採択され次第、「ICH M11 Protocol Template」との整合を図るため、「Common Protocol Template (CPT)」を改訂中。CPT Basic版(Word版)と関連資料の草案を公開。CPT改訂最終版は2026年初頭に公開予定。
「CPT Re-aligned to ICH M11 Template」
◆米国トランプ政権が医薬業界に及ぼす影響
(1)欧州の医薬品開発は、米国の研究予算削減と医薬品関税により危機的状況。
BMJ「Trump cuts: Gaps in drug research funding in Europe can’t be filled, experts warn」
(2)トランプ政権によるワクチン政策転換を受け、米国の医師・研究者らのボランティア・グループが、予防接種推奨の指針となるデータの評価を独自に開始。
Nature「Volunteer scientists work ‘nights and weekends’ to guide vaccine advice in US」
著者:内山 雪枝(クリノス 代表)
元医師、医学翻訳者、メディカルライター、セミナー講師。
明の星女子短期大学英語科卒業。東海大学医学部卒業。
大学病院勤務後、国内翻訳学校と米国大学院で翻訳を学び、
医学翻訳を30年以上手掛ける。
英文メディカルライティングの教育活動も20年以上継続中。
所属団体:米国メディカルライター協会(AMWA)(1996年~現在)
著書:『薬事・申請における英文メディカルライティング入門』I~IV巻(完売)
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